BLUNA

靴下っていつからあるの?

 

あなたはなぜ靴下を履きますか?

足を守るためや、保温するために作られたのであろう靴下は一体いつからあるのでしょうか。

 

 

 

 

 

人間は靴下をいつから履く様になったのか。

 

靴下の歴史はなんと紀元前に遡ります。

アルプスの氷河から紀元前5000年前のアイスマンというミイラが発見されました。

 

 

アイスマンの足には動物の皮や木の皮で作られた靴のような物の中に柔らかい草が入れられていたと言います。

寒い地域なので靴だけでの保温力では足りず草を入れることによって更に暖かくしていたのでしょう。

 

この事からすでに靴が存在しており、それを保温するための工夫がされていた事がわかりますね。

 

 

 

 

現存している最古の靴下は

紀元前300年ごろエジプトで作られた靴下で

メリヤス編みだったと言います。

 

メアリス編みとは今でも靴下の基本編みになっている編み方です

 

 

 

2〜3世紀年頃(紀元200年ごろの弥生時代) 

アラビアの遊牧民は靴下の型紙を作ったと言われています。

 

 

そのころの日本

日本では西暦500年頃(古墳時代)中国から伝わった「襪(しとうず)」と呼ばれる巾着袋のような形をした靴下が履かれるようになりました。

古事記にもくつしたぐつと記載されていました。

この事から、私たちの遥か昔から靴下の様な物があったことがわかりますね。

ですが、布製で伸び縮みしない物で使用しているの人は貴族や階級の高い人々だけだったのでした。

 

 

 

靴下の歴史

紀元前5000年前から靴下があることがわかりましたが、

編まれた靴下はいつからできたのでしょうか。

編み物自体、昔の事すぎていつ生まれたのかはわかっていません。

 

靴下も編み物であるため、機械が無い時代は勿論手作業で行われていました。

1395年の宗教画の中に聖母マリアが編み物をしている姿が描かれています。

 

エリザベス女王(1533~1603年)が初めて手編みの絹靴下を履いたとき「もう二度と布製の靴下は履きたくない」ともらされたと、J・ストーの「イギリス年代記」に記されている。
 
エリザベス1世女王が初めて着用した手編みの長靴下(1560)
(モンテーグ婦人より贈られた靴下で、ロンドン郊外ハットフィールドハウスに保存されている)
 

今の靴下とは異なり、足の形に合うように直角に作られておりレースのような可愛らしい装飾がされていますね。

この頃の靴下はとても高価な物でした。

 

 

 

そしてある人物が機械を作った事により靴下が世の中に広がっていきます。

その人物とは、、、、?

 

編み物の機械化

 

今まで靴下は全て手編みで作られていました。それは今でも受け継がれているメリヤス編みなのです。

 

メリヤスってなに?

メリヤスとは今で言う「ニット」になります。伸び縮みが可能な編み方の事を言います。

メリヤスとは元々はポルトガル語「メイアス」又はスペイン語の「メディアス」が

1567年〜1635年の南蛮貿易により日本に伝わり「メリヤス」と聞こえた事からそう呼ばれるようになります。

当て字には「女利安」「女利夜須」「女利弥寿」などと書かれるようになりました。

この漢字から靴下だととても想像できませんよね。

 

そして1804年〜1830年に浪人や武士の間で編み物が内職として多くの人に広まっていきました。

絹などできめ細かく編まれたものはとても高価なものでお米5キロの価値があったとされていました。

この時期から「女利弥寿」から「莫大小」と書かれるようになりました。

莫くは、無いと意味します。これはメリヤスが伸縮自在で『大きい人でも小さい人でも(さしつかえ莫く)合う』ということからきています。

 

石川公勤という人が文政9年(1826年)に書いた「緩草小言」に、

めりやすというものは、のびちぢみありて、人の腕の大小あれど、いづれへもよくあうものなり。さらば大小と莫く合うという義にてあるべきや。

と記載されている事がわかりました。

 

メリヤス編みの機械化

 

 

ある日、牧師のイギリスのウイリアム・リーが内職として懸命に靴下を作る妻を見て、もっと楽にしてあげたいという思いからメリアス編みの機械化に挑戦するのでした。

 

およそ9年という歳月で完成させ、1589年足で踏んで動かす手動の編機がついに誕生したのでした。

 

 

 

 

この事には諸説あり、妻ではなくウイリアムが恋した女性が編み物に必死で自分の事を全く相手にしてくれませんでした。そして失恋したウイリアム・リーはこの世から手編みを無くしてしまえ!と言う思いから機械化したとも言われています。

実際はどうだったのかは私たちではわかりませんが、彼の愛が強かった事から生み出された物なのでしょうね。

ウイリアム・リーは特許を取得しようとエリザベス女王に申請しますが、市民の仕事がなくなることを恐れ許可しませんでした。

実際にも編み物で生計を立てていた人々からの批判は大きかったと言います。軍人等が家に乗り込んで来ることも、、、

 

機械化してから10数年で死去してしまいましたが、息子等が何度も改良を重ね1750年に14000機にも増やし大きな成長を遂げていきました。

 

 

 

靴下の形はなぜ変わったのか

エリザベス女王1世が履いていた頃の靴下は写真でもわかる通り直角に作られていました。

かかとの面積が大きい方が履き心地が良いとされていたからです。

 

しかし現在履かれている靴下は90度ではなく120度〜135度となっています。

これには機械化された事が深く関わっていたのです。

 

1533年〜1603年 エリザベス女王1世存在
1589年 メリヤス機械化
1567年〜1639年 南蛮貿易により日本に輸入される

 

この時系列から想像すると、機械化され日本に渡るまでに120度に進化したと思われます。

 

機械化したことにより、踵部分にかなり時間がかかってしまう問題が出た事がわかったのでした。

早く生産する為に改善されたのが現在の形である120度なのです。

 

 

日本の靴下

 

日本で最も古い靴下は常陸太田(茨城県)瑞龍山(ずいりゅうざん)の瑞龍寺で

徳川光圀(1628〜1701年)のお墓から7足の靴下が見つかっています。

 

 

この発見から日本で最初に靴下を履いたのは徳川光圀だとされていますが

徳川光圀は徳川家康の孫であり、水戸光圀とも言います。誰もが知っている水戸黄門です。

光圀に靴下を寄付したのは従兄弟である徳川家光が与えた物だったと言い伝えられています。

そうすると、もしかしたら家光のが先に履いていたのでは?とも考えられますよね。

昔に戻ってこっそり見てみたいです、、笑

 

徳川光圀が使用していた時はまだ日本に機械が輸入されていないので全て手編みで作られています。

この時代ではまだ靴下は庶民には広まらず、この頃は武士は足袋を履いていました。庶民は草履が一般的でした。

 

 

 

機械がついに日本へ

機械誕生から281年後明治3年(1870年)に西村勝三が外国商館にて初めてメリアス機械に出会いました。

西村勝三とは、軍用靴製造の目的で製革・製靴事業を始めた人物です。

 

その後、渋沢栄一の勧めにより明治5年に国内初のメリヤス工場を建設します。

明治9年にはメリヤスの国内大量生産が始まりまりました。メリヤス機は職人の6倍もの速さで編めたといいます。

 

西村勝三は、明治維新に際して「国家富強の基礎は商工業の発展にある」と看破し、社会を常にリードしました。西村勝三の国家としての事業を担う精神は一生を通じて変わることが無く、類稀な勇気と努力を持って、「世のため、人のため」になる事ならと、メリヤスをはじめ、靴、、皮革、耐火レンガ、ガラスなどの近代産業を同時期に創業し、明治の工業の父と云われ、メリヤス靴下製造を導きました。

 

しかしながら一般市民の履物は下駄や草履が履かれていた為広まることはありませんでした。

 

海外は靴下の生産が加速し形も進化していきます。

 

 

第二次世界大戦の敗北

 

1945年この戦争に負けた事により急速に日本には海外の物が増えていきました。

それにより西洋の靴が流通するようになり、次第に靴下も履かれるようになりました。

 

それから人々に広まっていき現在に至ります。

 

メリヤスから靴下へ

 

第一次世界大戦終了後アメリカが進むことにより、服も和装から洋装に変わっていきました。

メリヤス編みのニット衣類が増えた事により、一概にメリヤス=靴下でまとめられなくなったと言われています。

誰がいつ改名したかは謎のままですが、1950年以降から靴下と呼ばれるようになりました。

 

 

 

まとめ

人類が靴下を履くようになったのは紀元前の話で、我々一般人が靴下を日常的に履くようになったのは最近でしたね。

 

赤ちゃんからお年寄りまで履くようになった靴下。昔の人々により愛されて様々な進化を遂げてきた事がわかりました。

今ではおしゃれの一部として色々なデザインや5本指ソックスなど新商品が次々と生み出されお手頃価格で手に入る事が可能になりましたね。

 

歴史を深く知る事で、より一層オシャレを楽しみたいと思いました。

 

 

 

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